小図書館猥雑目録

某大学漫研部員のエロ漫画話ブログ。

MARUTA『彼女属性 -キミゾク-』

f:id:ktc5116:20130325005310j:plain 今日は新刊……と言ってもこれまた大分積んでたのでちょっと前のですね。MARUTA先生の『彼女属性 -キミゾク-』です。画力に裏打ちされた若きカップルの馴れ初めとコンプレックスの描写が巧みな一冊。

 収録作は4話の中編+2話の中編+短編3本。後述しますが末尾掲載の2話構成中編を除いては、共通して高校生カップルの初めてのセックスに至る経緯、ヒロインの持つ身長・体形などの「周りとは違う」ことへのコンプレックスを丁寧に描いた作品となっております。ヒロイン自身が気にしていたり、周りから嘲りの目を向けられたりしているのを、主人公が素直な好意をもって肯定し初体験へと進んでいく、という流れが基本です。決して派手さはない作劇ですが、確実に積み重ねていく言葉・思いの様は心地よいものです。

 また、アナログ感を強く感じる絵柄、斜線・トーンで陰影が効果的に描写された実体感のある肢体、木目・森・空といった背景描写の情緒ある雰囲気も作者の魅力でしょう。この「実体感の強さ」は、エロシーンにおいても、断面図や効果音撒き散らしといった派手な表現を用いない静かな描写ながら官能を高めていくことに貢献しているかなあという気がします。

 さて、そんなほっとする作品たちが中心ではありますが、そんな中にあって異質とも言える中編『空蟬』が末尾に収録されております。これが良かった。確か先生の前単行本『アマノジャクが恋をして』にもエピソードがあったかな?とある双子の兄妹のお話なのですが。これが美しいのだ……作中で「キレイ」と言われているものを実際「美しい……!」と感じられるのってすごいと思うんだ!怪しく美しい女生徒(双子の妹)と女教師のレズプレイ、そして双子の兄妹が入れ替わり互いの(同性愛の)パートナーと関係を結ぶ、そんなうわあこれはゾクゾクしちゃうわねという倒錯的人間模様。終わり方も何とも言えないんだぁ……夏。

 という感じで私の好みとしては『空蝉』が最も刺さったわけですが、その他にも美味しそうに飯を食う先輩さんが大変可愛らしい『友達が少なくても良い理由』、八重歯ちみっ娘がコンプレックス抱えつつもしっかり感じてるのがエロい『午後は、紅茶より缶コーヒーで。』なんかも良かったです。あと作者自身も述べていますが「長身娘フェチ全開」の作品も多いので、好きな人はチェックしてみてはいかがでしょう。

 

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